京大地物修士論文の電子化状況

 手元の古文書を整理していたら、出身の京都大学理学部地球物理学教室における、修士学位論文の電子化状況をまとめた、1990年12月15日21時20分付けの文書ファイルが出てきました。 面白いので、個人情報を外したうえで内容を表にまとめなおしてみました。

 和文MN和文WP和文TX英文TP英文WP英文TX摘要
1983年度91 12 ワープロ初登場
1984年度7.53 3.51 24dotプリンタ登場
1985年度56  3 ワープロ激増/英文タイプ絶滅
1986年度25  3 手書き完全に少数化
1987年度27  5  
1988年度 7  12手書き絶滅/TEX登場
1989年度 43 3 和文TEX登場

「MN」=手書き、「TP」=タイプライタ、「WP」=パソコンのワードプロセッサソフト、「TX」=TEX

 1988年度の「和文WP」のうち1は、数式のみTEXで記述して、アナログで貼り付けている。 タイプライタには、手動で打ったものと、電子テキストを自動で打たせたものとがあると思われるが、その区別はできない。

 和文ワードプロセッサについては、初期には「文筆」などもあったかもしれないが、普及期には多くが「松」または「一太郎」(もしかしたら「P1.EXE」が居たかも)で、そのうち「一太郎」に収斂されていったと思われる。 「文筆」と初期の「松」を除いてMS-DOS上で動作するソフトウェアである。 英文ワードプロセッサは、おそらく全てMS-DOS上の「WordStar」であろう。 ハードウェア環境は、おそらく全てがPC-9801と思われる。 TEXも、おそらくPC-9801上で動作するASCII版と思われる。

 プリンタの性能については、1983年度は16dotプリンタで、1984年度の「和文WP」は24dotプリンタが2、16dotプリンタが1であり、1985年度には全て24dot化したことが記録されている。 当時は、ほとんどのプリンタがドットインパクト方式であったハズ。 TEXの使用はレーザー方式のページプリンタが前提(この当時、高性能のインクジェットは一般的でない)であるが、他の手段の場合におけるプリンタの区別は難しいので、ページプリンタ普及の状況は判らない。

 ちなみに、筆者は1985年度の「和文WP」に属する。


2010年5月6日初稿/2014年1月23日ホスト移転

戸田孝の雑学資料室へ戻る

Copyright © 2010 by TODA, Takashi