インターネット利用者なら「電子メール」(E-Mail)や「ウェブ」(WWW:俗にいう「ホームページ」)というものを御存知でしょう。 いずれも「インターネット」という電子の通信経路を利用した、具体的な通信サービスの名称です。 ネットニュース(ネットニューズ:NetNews)も、そのような通信サービスの一種です。
なお、usenetという用語がNetNewsと同義に使われることがあります。 厳密には異なる概念ですが、最初は違いを気にしない方が良いかもしれません。
ネットニュースは「情報交換のための場」です。 そして、その情報交換の相手は「不特定多数」です。 ネットニュースでは情報発信のことを「記事の投稿」と呼びます。 投稿された記事は世界中に配信されます。 そして、それに対して、思いがけないような人から応答がもらえるかもしれません。
「不特定多数相手の情報交換」というと電子掲示板システム(BBS)を連想する人が多いと思います。 最近は「ウェブ」を利用した電子掲示板が主流ですが、電子掲示板というものはインターネットが普及する以前のパソコン通信の時代からありました。
いずれにしても、電子掲示板は、全てのメッセージが1ヶ所に集中管理されていて、全ての利用者がその「1ヶ所」でメッセージを読み、その「1ヶ所」に対して情報発信を行います。
それに対して、ネットニュースは、メッセージを集中管理していません。 「サイト」と呼ばれる多数の参加組織が各々にメッセージを管理し、互いに配信しあうことによってメッセージを共有します。
「互いに配信しあって共有する」ことによって「存在の唯一性」が保証されます(完全に孤立していない限り、融合して1つのものになるから)。 そして、そのことによって、メッセージが広く到達する結果にもなります。 電子メールが、どのプロバイダからでも全世界の何処へでも届くのと同じ理屈です。
ネットニュースは「独立に運営されている多数のサイト」が協力しあって成立するシステムですから、全体を管理する管理者は存在しません。 しかしながら、実際に運営を進めて行くためには、共通の「約束事」が必要ですし、その約束事を決めるための意見調整が必要です。
黎明期の実験的なネットニュースは、参加者の多くが電子ネットワークに関わる研究者だったこともあり、特に明文のルールを定めることなく、必要があるごとにネットニュースのシステム上で議論しながら運営方針を決めていました。 しかし、この方法には限界があるので、徐々に明文のルールが「参加者の合意事項」として定められるようになってきました。 このルールは、ネットニュースの「階層(カテゴリ)」ごとに定めることになっています。
fj後援会による解説に対する改訂案(戸田 孝)
fjの歩き方メーリングリストで作成された文書(高屋敷 一仁 さん)
超初心者のためのネットニュース入門