unixでメインフレームの磁気テープを
使うためのユーティリティ

 メインフレームとは、かつて「大型計算機」「汎用計算機」と呼ばれた 紙テープ・紙カード入力以来の伝統を誇る古典的な計算機です。 1990年代におけるパソコンの能力向上を中心とする技術革新の流れの中で、 その存在価値を失っていき、 2000年問題対策を契機に完全に息の根を止められた感があります。 しかし、検索エンジンでWWWを探してみると、 メインフレーム用の磁気テープを扱うための機器やソフトウェアを 扱っている業者が複数存在するようですし、 「過去の資産」としてのメインフレーム用データを 読まねばならない状況は、まだまだ続くと考えられます。

 外部記憶装置には、ディスク媒体では「セクタ」、 テープ媒体では「ブロック」と一般に呼ばれる 「物理的な読み書きの単位」があります。 WindowsとかMacOSとかunix系OSなどでは、OSがこの「単位」を隠蔽して ファイルが単なる「バイト列」に見えるようになっているので、 通常の利用でこの「単位」を意識することはありません。 しかし、メインフレームでは常にこの「単位」を意識する必要があります。 詳しくは、別稿を参照してください。

 メインフレームの標準外部記憶装置は、1/2インチテープと呼ばれる 馬鹿でかいオープンリールの磁気テープ(MT)でした。 この磁気テープは、上述のような状況に対応して、 利用者が「ブロック」の長さを制御できるようになっています。 従って、1/2インチテープを扱う場合は、 「ブロック」の長さをきちんと意識しないと困る場合が多々生じます。

 ところで、unix系OSはメインフレーム全盛時代に 基本的な部分が完成していたため、 1/2インチテープを扱う標準的な方法が確立していました。 そのため、接続可能な読み書き装置さえあれば、 原理的には自由に利用できるハズです。

 しかし、unix系OSの標準的なユーティリティは、 1/2インチテープだけに特化したものではないため、1つ不都合があります。 即ち、1/2インチテープでは、主としてメインフレーム向けに調整された 諸々のファイル管理情報を「ラベル」に記述する方法があるのですが、 この管理情報を簡単には利用できないのです。 そこで、そのような管理情報を利用して ファイルを扱うためのコマンド群を作ったわけです。

 アーカイブには、プログラムソースの他、 このプログラムのコンパイル結果を利用して 1/2インチテープを扱う方法について解説した文書も含まれています。 この文書は、1/2インチテープの利用方法一般について 知りたいという方にも役立つかもしれません。




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1999年10月13日初稿/2004年4月21日ページ分離/2014年1月23日ホスト移転

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