学芸員資格を有するような博物館関係者には基礎知識だけれども、一般常識とは矛盾している、ということの一つに「博物館とは何か」という根本的な問題があります。 例えば、「博物館と資料館に本質的な違いは無い」「美術館は博物館の一種」「科学館も博物館の一種」「動物園や水族館も博物館の一種」といったあたりは、世間の常識と随分ズレていると言えるでしょう。
それと並んで「“法律上の博物館”というのは、また別の概念」という問題があります。 厄介なのは、法律上「博物館」ではなくても、博物館活動を行うことは勿論、博物館と名乗ることも一切禁止されていないということです。 これは、法律に基づかない施設の活動が禁止されている「銀行」や「病院」とは異なるところですね。 ですから、一般常識的に「どう見ても“博物館”」というものが、法律的には博物館では無かったりするわけです。 博物館行政上は、「法律的に認められていない」博物館のことを「博物館類似施設」と呼んでいます。
この「法律と実態の齟齬」という混乱状況に更に輪をかけるのが、「博物館相当施設」という中途半端な存在です。 博物館法について学習した人の多くは「何だ、こりゃ?」と思ったことでしょう。
法律上の博物館になるには、都道府県教育委員会に登録する必要があります。 そのため、法律上の博物館のことを、通常は「登録博物館」と呼びます。 この登録に際して審査を受けることになっていて、結構面倒な手続きが必要です。 ですから、この登録手続きを嫌って「類似施設」として活動していくというのは、それなりの方針ではあると言えます。
しかし、「博物館相当施設」になるには、都道府県教育委員会の審査を経て指定を受ける必要があり、「登録博物館」になるのと、ほぼ同じ手間を要します。 では、あえて「登録博物館」ではなく「相当施設」になろうとする理由は一体何なのでしょうか?
「登録博物館」ではなく「博物館相当施設」にしかなれない理由が博物館法の規定から明らかな事例があります。
博物館法では、登録博物館を設置できるのを「地方公共団体」「公益法人(財団法人・社団法人)」「宗教法人」「一部の特殊法人(NHKと赤十字社)」に限定しています。 つまり、それ以外の「国の省庁や国立大学」「私立大学(学校法人)」「会社(営利企業)」「個人」などが設置している博物館は登録博物館にはなれません。
ちなみに、各種の国立博物館が「法律上は博物館ではない」というのも奇妙な話ですが、これは博物館法制定の直前に文化財保護法が制定され、狭義の「国立博物館」(当時は東京・京都・奈良の3ヶ所にあり、最近になって「九州」が追加されて4ヶ所になった、「科学」とか「美術」とか「民族学」とか「歴史民俗」とかいう言葉が名前に入っていない博物館)が文化財保護委員会(文化庁の前身)の管轄になったことが関係しているようです。
公立博物館は教育委員会の所管ということになっています。 しかし、例えば、文化行政と観光行政を一体で進めたい、博物館施設を公園行政の一環として運営したいなどの理由で、博物館を教育委員会の管轄から外したいと考える地方公共団体もあります。
また、制度上教育委員会の管轄にできない場合もあります。 例えば、「大学」は教育委員会の管轄ではないので、「公立大学」が博物館を設置しようとしても教育委員会の管轄にはできません。 あるいは、所謂「行政組合」(複数の地方公共団体が共同で事業を行うために設立する「特別地方公共団体」)が博物館を設置する場合、その組合が「学校の設立」を目的にしている場合などを除けば、そもそも教育委員会が存在しません。
さらに、特定の行政分野に関連するテーマを有する博物館施設は、その分野の行政施策の一環として、担当部局が管轄する場合があります。 具体的には「農業振興」「環境」「防災」などの実例があります。 あるいは、水道事業などの「公営企業」が、その事業への理解を深めるために設置する「企業博物館」の性格を有する博物館施設もあります。 いずれにしても、「学校史」を扱うなどの例外的な場合を除けば、教育委員会の管轄ではありません。
このような場合には、その博物館は「登録博物館」にはなれません。 実際、日本博物館協会の平成12年度会員名簿に掲載されている公立の「博物館相当施設」(大学付属を除く)39館について調べたところ、18館は教育委員会の管轄外でした。
いろいろ調べているうちに、公立館については、教育委員会管轄でないと相当指定も認めない県があることが判明しました(静岡がそうらしいし、長野もそうかもしれない)。 実は、相当指定は元々文部省が直接行っていたのを昭和46(1971)年に都道府県教育委員会へ移管したのですが、この移管に際しての文部省社会教育長名通達に、「公立の相当施設は教育委員会が所管しなければならない」という妙な注記があって、上述の県はこの注記に盲従しているものと思われます。 この注記、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律第32条」を根拠にこのようなことを主張しているのですが、明白に誤った法解釈ですね。 同条の規定は「大学以外の教育機関は教育委員会が所管する」という趣旨です。 ですから、「博物館相当施設」が自動的に「教育機関」になる理由が何かあれば、この通達の主張も正しいことになるのですが、そんな理由は存在しません……と思っていたら、平成10(1998)年4月17日付の文部省生涯学習局長名通知で、この解釈を正式に取り消したようです。 遅きに失したというべきですね。
ところで、琵琶湖博物館は知事部局で運営しているのですが、登録博物館です。 元々平成8(1996)年に開館した時は教育委員会文化芸術課の管轄だったのを、翌平成9(1997)年度から既に登録博物館だった近代美術館と共に教育委員会の管轄から外れた(文化財保護以外の文化行政をまとめて教育委員会から外した一環)のですが、この時に、教育委員会との縁を完全には切らない形にして、近代美術館の登録を維持したようです。 そのため、平成11(1999)年度に琵琶湖博物館が「登録か相当」になる必要が生じた時に、近代美術館との横並びで「登録」になったわけです。 どうやったのか、文化庁の事業に応募するときに必要になったので調べたところ、地方自治法第180条の7を利用するというビックリするような手法でした。 この規定は、県の権限の一部を個別に市町村に委任したり、県知事の権限の一部を県の地方機関の長に委任するというような事例を想定したものなのですが、これを利用して教育委員会から知事部局の部長に委任しているのです。
現場に居ると、運営組織が知事部局に属しているという実質のみが業務に関わってくるので、教育委員会の管轄という実感はあまりありません。 ただ、「教育委員会規則」に基づいて運営されているので、何か制度を変える時に教育委員会との協議が必要になります。 また、県有財産の管理上、博物館の建物は「教育用財産」として扱われています。
各地の公立博物館について調べてみると、琵琶湖博物館と同様ないし類似の手法で実質的に知事部局や首長部局に属しながら登録博物館の立場を維持しているのではないかと思われる例が見出されました。 運営を委託した財団法人を設置者とすることで登録を実現したと思われる例もありました。
「動物園や水族館は“博物館相当施設”である」という言回しを時々耳にします。 それも、制度上の位置付けとしてそうなっているという文脈で使われていることが少なくないような気もします。 関連法令等を読めば明らかなことですが、「制度上の位置付け」であるという認識は全くの誤りです。
しかし、現実の登録や指定の状況としては、確かに「博物館相当施設」が圧倒的に多く、「登録博物館」は稀です。 そして、それが制度上の理由に起因することも確かなのですが、決して「動物園や水族館だから」ではありません。 動物園や水族館の多くが、「社会教育施設」としての機能を二次的なものとする立場、即ち、本来の機能は「観光施設」あるいは「公園設備」であるとする立場で制度的に位置付けられているからです。
私立の動物園や水族館は、ほぼ全てが「会社(営利企業)」です。 即ち、観光産業として成立するという前提で設置されているわけです。 営利企業が設置したのでは、博物館法の規定上「登録」はできません。 財団法人が設置した例(公立館園の経営を受託したのではなく)も少数ながら見られますが、設立当初から研究組織としての側面が重視されたものや、諸状況から考えて地方公共団体が設立に深く関与していると思われるものしか見出していません。 なお、社団法人が設置したのを1館見つけたのですが、設立時期が古いために、観光産業的側面を意識していなかったようです。
公立の動物園や水族館の多くは、「公園整備」の一環として都市建設を担当する部局が管轄しています。 それに較べると少数ですが、「観光施設」として観光を担当する部局が管轄している例も少なくはありません。 その他、「農業振興」など特定分野の行政施策の一環として、担当部局が管轄している場合もあります。 いずれにしても、教育委員会の管轄を外れるので、「登録」できないことになります。 もちろん、教育委員会管轄の動物園や水族館も少数ながら存在するわけで、その多くは「登録博物館」になっています。
日本動物園水族館協会加盟館園(廃止館園を含む)のうち89館園について、インターネットWWWの情報や日本博物館協会の名簿情報などで博物館法上の位置付けが判明しました。 その内訳は「登録:13館園」「相当:57館園」「類似:19館園」でした。 (判明しなかった館園は「類似」が多いと思われるので、念のため)
一方で、以上のような明白な理由が無いのに、「博物館相当施設」になっている例もあります。 日本博物館協会の平成12年度会員名簿に掲載されている館では、「財団法人」設置が10館、「宗教法人」設置が14館、そして公立で教育委員会管轄であることが判明したものが21館ありました。
これらの館が「相当施設」になっている理由として考えられるのは、博物館法に定める「登録博物館になる要件」を満たしていないということなのですが、実際どうなのでしょうか? 法に規定された要件は以下の4つです。
いろいろ調べてみると、「博物館相当施設」が「登録博物館」に昇格したという事例は少なくないようです。 また、教育委員会管轄の公立館の中には、「登録」だと条件がキツいから「相当」にしたと言っているところもあります。 このような純粋に「量的」な問題も、あるにはあるようです。
日本博物館協会の平成12年度会員名簿に掲載されている
博物館相当施設の設置主体による分類
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日本動物園水族館協会加盟館園の設置主体や行政上の所管による分類
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ところで、そもそも「登録博物館」や「相当施設」になる意義は何なのでしょうか? 「類似施設」でも博物館活動を行って良いということなのですから、そういう根本的な問題ではありません。 わざわざ手間をかけて「登録」や「相当」になるのですから、それなりの利点があるハズです。 どういう利点があるのか、具体的に見てみましょう。
博物館経営論(新版博物館学講座第12巻:雄山閣出版1999)のp.112〜113に、博物館が受ける税制上の特例措置がまとめられていますが、よく調べてみると、「登録博物館かどうか」に関係無く「財団法人・社団法人・宗教法人」が一般的に優遇されている例が多いようです。 国税関係で法令レベルの規定で「登録」である意味があるのは、以下に述べる3つのみのようです。
まず、寄附金を受けるときに寄附する側に優遇措置がある「特定公益増進法人」の指定を受ける際の問題があります。 この指定を受ける前提となる基礎条件の1つとして「登録博物館の設置運営」(相当施設はダメ)が政令レベルで挙げられています。 尤も、実際に指定を受けた登録博物館(を設置運営する財団法人)が少な過ぎるという批判もあるようですが…… (なお、2008年から実施されている新制度(2013年まで5年間は移行期間)で公益認定を受けて「公益財団法人」や「公益社団法人」になれば、自動的に「特定公益増進法人」に指定されることになったようです。)
次に租税特別措置法で定められている、相続財産を「科学又は教育の振興に寄与するところが著しい公益法人等」に贈与した場合に相続税を課さないとする規定ですが、どのような法人なら認められるかという基準は政令レベルで定められています。 いろいろ細かい条件が重なっているのですが、基礎資格として法人の設置目的に関する条件があり、その選択肢として「登録博物館の設置運営」「登録博物館の振興に関する業務」の2つが挙げられています。 「博物館相当施設の設置運営」はダメです。
最後に関税定率法についてですが、国公立の施設に関しては「学校、博物館、物品陳列所、研究、試験所その他これらに類する施設」となっていて、「博物館類似施設」でも輸入目的が合っていれば免税です。 ところが、私立施設については対象施設の指定が政令委任されていて、その政令(関税定率法施行令)では「登録博物館」および「財務省告示で個別指定された施設」となっています。 コトが“免税”に関わるものですから、何らかの形で「公に認定」されることを求めているのでしょうか。 ただ、そうだとしても、「博物館相当施設」が外されている理由は全くの謎です。
なお、前掲書に無いものを探したところ、同書の出版直前に制定された「美術品公開促進法」(正式には「美術品の美術館における公開の促進に関する法律」)の附則で追加された「租税特別措置法」の条文(法令の制定に際して、他の法令の関連条文を連動して改正する必要がある場合に、この「附則」という手法をよく使う)がありました。 これは「公開促進法」に基づいて登録された美術品は、相続税の物納に際して高い優先順位を設定できる(通常、美術品などの「動産」は債券や不動産より優先順位が低い)とする規定なのですが、この登録は「登録博物館」か「相当施設」への寄託が条件になっているのです。
また、所得税法および法人税法に基づく財務省告示に「寄付金控除の対象となる寄付金又は法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する寄付金を指定する件」というのがあります。 一定の条件を満たす寄付金について財務大臣の指定を受ければ、その寄付金だけの分の収入が無かったことにして税金の計算ができるという規定があり、その指定条件を告示するものです。 この告示は頻繁に改正されているのですが、比較的最近に「登録博物館の新増改築に充てるために行う募金」が認められるようになったようです。 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター(旧国立教育会館社会教育研修所)が毎年出している「博物館に関する基礎資料」に記載されているのですが、いつの改正で認められるようになったのかは確認できていません。
法令レベルで規定されていない範囲で何か無いか探してみたら、通達レベルで1つ見つかりました。 相続税法第66条第4項の適用に関わるものですが、かなりややこしい構造になっているので、順を追って説明します。 相続税法というのは相続税だけでなく贈与税についても規定している法律です。 相続税や贈与税というのは個人に課せられる税金ですが、課税逃れを目的として法人への贈与や遺贈が行われることを防ぐために、関係者の税負担が「不当に減少する結果となると認められる」場合は、法人を個人とみなして課税すると規定しているのが「第66条第4項」です。 そして、どういう場合に不当と認められるかは通達レベルになるわけですが、通達で定められた「不当と認められる条件」の1つに「社会的存在として認識される程度の事業規模を有していない」というのがあります。 そして、どういう場合にそういう「事業規模を有している」として取り扱うかが例示されています。(あ〜ややこしい^_^;) その例示の1つとして「登録博物館の設置運営」があります。 「登録」のみが認められていて、「相当施設」や「類似施設」はダメです。
一方の地方税については、事業税は「財団法人・社団法人・宗教法人」一般に対して優遇していますが、不動産取得税・固定資産税・都市計画税は「登録博物館」であることが優遇条件になっており、「相当施設」や「類似施設」はダメです。 事業所税は「非収益事業または登録博物館」となっており、「相当施設」や「類似施設」は「非収益事業」に該当しなければダメです。
何にせよ、地方公共団体の活動には元々から課税されませんし、地方公共団体への寄付も免税対象ですから、公立博物館には税制上の利点は何もありません。
博物館経営論(前掲)のp.114に税制以外の特例措置がまとめられています。 このうち、地方債の問題は「登録博物館かどうか」には関係ありません。
訳の解らないのが土地収容法で、図書館は「図書館法による図書館」なのに、博物館は「社会教育法による博物館」になっています。 社会教育法では、図書館や博物館に関する事項は「別に法律をもって定める」となっていて、その法律は一般には図書館法や博物館法のことだと理解されていますが、博物館法のどの条文か特定されていないので、「相当施設」が含まれるかどうか明白ではありません。 なお、土地区画整理法施行令は明文で「相当施設」を含むと規定しています。
前掲書に無いものを探してみたところ、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」がありました。 この法律では、「譲渡し等」の禁止を除外する条件の一部を環境省令で定めることになっているのですが、その環境省令で定められた条件の1つに、「登録博物館」または「国立の相当施設」で「繁殖又は展示」を目的とする場合というのがあります。 条文をサラっと読むと「相当施設」が「国立」(独立行政法人を含む)に限られていることが読み取れませんが、相当施設が「文部科学大臣指定」だけで「都道府県教育委員会指定」が含まれていないので、そういう解釈になります。 筆者も、「譲渡し等」の届出様式を実際に目にするまで気づきませんでした。
なお、かつては「博物館法第9条」というのがありました。 「国有鉄道運賃法第8条の規定の適用があるものとする」という、単独では意味不明な条文ですが、「国有鉄道運賃法第8条」というのは、
全体として日本国有鉄道の総収入に著しい影害を及ぼすことがない運賃又は料金の軽徴な変更は、日本国有鉄道がこれを行なうことができる。というものです。要するに、優遇措置ができるということなんですが、実際に措置するかどうかは日本国有鉄道の裁量で、実際には措置されていなかったという噂もあり、よくわかりません。 いずれにしても、この「博物館法第9条」自体、国鉄分割民営化の際に削除されています。 削除されたという事実を知らない博物館関係者も多いようですが、これは実際に運用されていなかったということの他に、法律の構造がややこしいことも一因になっているでしょう。 国鉄分割民営化の際に制定された法律は「国鉄改革8法」と通称されていますが、その1つに「日本国有鉄道改革法等施行法」というのがあります。 これは、前半3分の1は分割民営化に際しての経過措置がズラズラ並んでいて、残り3分の2には、関係する法律の関連条文を改正するという規定がズラズラ並んでおり、いずれにしても、条文1つずつ対象の法律と照合しないと意味が理解できないという、最高に頭が痛くなる類の法律です。 この中の「第99条」で、「博物館法第9条」を削除し、それを引用している「博物館法第29条」(登録博物館に関する規定の一部を博物館相当施設にも準用するという規定)も整合するように改正すると定められています。
一般論として、国が地方に出す補助金には、必ず根拠となる法律が必要です。 博物館法にもその根拠法の性格があって、公立の「登録博物館」に対して施設費と設備費の補助金を出せることになっています。 「相当施設」や「類似施設」では受けられません。
補助金と似て非なるものとして、事業への参加資格に「登録博物館」ないし「相当施設」であることが要求される場合があります。 琵琶湖博物館は、開館時には事務手続きを進めている余裕が無くて登録博物館にはならなかったのですが、平成11(1999)年度の文部省委嘱事業「親しむ博物館づくり」への参加資格を得るために登録手続きを取ったという経緯があります。
なお、民間の助成制度でも、「登録博物館」ないし「相当施設」であることを申請資格として要求しているケースがあるようですが、全貌は把握できません。
博物館施設のWWWページをいろいろ見ていると、沿革のページなどで「登録博物館」や「相当施設」になったことを誇らしげに書いている例が意外と多いことに気付きます。 それなりのステータスとして認識されているんですね。
また、「登録博物館」や「相当施設」になることで、資料貸借などの際の信用が違うという考えもあるようです。
あるいは、博物館に対する理解の深さをアピールする手段の1つとして、わざわざ手間暇かけて「登録博物館」や「相当施設」になるという行動を示すというケースもあるようです。 学芸員養成課程や博物館学関連講座などを開設している大学で、付属の博物館施設を「相当施設」にするというようなのが典型例です。
地方公共団体の場合だと、ステータスというよりも、文部科学省などに対する「顔向け」という性格が強い判断があるかもしれません。 平成11(1999)年度に琵琶湖博物館が登録博物館になったとき、安土城考古博物館も引き続いて登録博物館になったのですが、直接の動機は何も無かったようです。 単に「県立博物館で唯一未登録なのは格好がつかない」ということで、上層部から圧力が架かった結果だという噂です。