ヒョウとジャガーは実は分類学的にも近い関係にあります。 元々分類学での分類の単位は「界門綱目科属種」という7段階だったのですが、生物の特徴が詳しく判明するのに連動して分類段階も細かくせねばならなくなりました。 ネコ科(Felidae)の場合には科の下に「ネコ・ヒョウ・チーター」の3つの「亜科」が設定されています。
ヒョウ亜科(Patherinae)にはウンピョウ・ユキヒョウなど「ヒョウ」と名付けられた種が含まれますが、これらは分類的にはヒョウからは少し遠いと考えられていて別の「属」になっており、むしろジャガー・ライオン・トラなどのお馴染みの猛獣がヒョウと同じ「属」になっています。 ジャガーには「アメリカヒョウ」という和名もあります。
【ライオン】獅子/学名Panthera leo/英名Lionチーターは分類的に孤立しているようで、 単独で「チーター亜科(Acinonychinae)」を構成するのが良いと考えられています。
アフリカやインドの草原に生息、群れを作って大型草食動物を襲って食べる
【トラ】虎/学名Panthera tigris/英名Tiger(MacOS 10.4)
東〜中央アジアの森林地帯に生息、単独で大型動物を襲って食べる
【ヒョウ】豹/学名Panthera pardus/英名Leopard
アフリカ〜東南アジアの森林地帯に生息、小型動物を何でも食べる
【ジャガー】美洲虎/学名Panthera onca/英名Jaguar(MacOS 10.2)
アメリカ大陸低緯度域の森林地帯の水辺に生息、魚を含む小型動物を食べる
【チーター】猟豹/学名Acinonyx jubatus/英名Cheetah(MacOS 10.0)ネコ亜科(Felinae)にはイエネコやその近縁と考えられているヤマネコの他、 「○○ヤマネコ」と名付けられている多数の種が含まれます。 多くは小型種なのですが、有名な大型種としては ピューマ属(古くはネコ属Felisに分類されていた)も含まれます。
アフリカ〜中央アジアの開けた草原に生息、鳥を含む小型動物を食べる
【ピューマ】美洲獅/学名Puma concolor/英名Puma(MacOS 10.1)、Cougarところで、Panther(MacOS 10.3)というのは厄介な語で、 ヒョウとピューマの両方の意味に使われます。 特に黒ヒョウを指すことが多いようです。
北アメリカの高山や平原に生息、大型動物から魚までいろいろ食べる
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/ネコ科)
学研の図鑑「動物」(学習研究社1993)
ランダムハウス英和大辞典(小学館1973)
インターネット向け補記 |
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【ピューマを表わす各種語彙の語源】 Pumaはケチュア語(インカの公用語)からスペイン語を経由 Cougarはトゥピ語(アマゾン流域の現地語)からポルトガル語フランス語を経由 Pantherはギリシャ語からラテン語を経由 なお、Mountain Lionとも呼ばれ、「アメリカライオン」という和名もある ちなみにLeopard(LeoとPardの合成で、Pardだけでもヒョウの意)もギリシャ語起源だとか……Pantherとどう違うんだ? |