通算第7回(1997年5月号)
「秀吉」の演奏のために作ったPanFluteの製作経過を記録に残しておきます。
特別講座:Pan Flute の作り方
【用意するもの】
★プラスチック製パイプ
日曜大工用品の店に行けばあるでしょう。
1mの長さのものが置いてありましたが、1本ではわずかに不足するので、予備込みで2本購入しました。2本の色を変えて、どのパイプがどの音かという目安になるよう使い分けると便利です。
私は、ハーモニカで吹いて出す音を白、吸って出す音を黒にしました。
太さは何種類かあり、店で1mの状態のまま吹いてみて(ほとんど鳴りませんが^_^;)15mmのものが吹きやすそうだったので採用しました。
★パテ(充填剤)
粘土でも良いのですが、時間が経っても縮まない特性のものが適しています。
私は配管用の「非乾燥タイプ」のものを採用しました。
後で調律の微調整が自由にできるようにするためです。
★ベニヤ板
20cm×2cmが2枚取れれば充分です。
厚さ2mmの切れ端が偶々手近に転がっていたので使ったら、丁度良かったようです。あまり厚いと演奏の邪魔になります。
なお、他の材質の板でも構いませんが、ベニヤ板くらいの強度が無いと、口をパイプに当てる度にパイプが前後に動いてしまい、演奏が極端に困難になります。
▲輪ゴム
12本+予備に何本か用意します。同じ規格のものを揃える方が便利です。
なお、輪ゴムを使うと長持ちしない(何ヶ月も経つと弱ってそのうち切れてしまう)のですが、長持ちさせる必要が無い場合はこれが一番便利です。
▲ガムテープ
紙テープは貼り直しが利きにくいので、布テープにしましょう。
◆パイプを切る道具
パイプを買った店の人は金ノコが良いと言ってましたが、私はカッターナイフで代用しました。
カッターナイフだとコツが必要ですし、刃が傷みます。
但し、刃先は傷まないので、しばらくの間紙を切るのにも使えますが、次に刃先が傷んだ時に、5〜6ピッチ一気に折り取らねばなりません。
◆ヤスリ
紙ヤスリではなく、金属製の棒状のヤツです。
◆鉛筆
(太さと長さが鉛筆くらいの棒なら何でも良い)
【手順】
(1)パイプをどう切断していくか決めます。
「秀吉」では、Gから11度上のCまでのinCの全音階を使うので、全部で11本必要です。長さは大体の計算で1本切断してみて、それを吹いてどの音が出るか確かめ、それを元に決めて行きました。
結果としては、下のGが11〜12cm、上のCが4〜5cmです。
本当はその下のEも使うのですが、ほとんど聞こえないところで1回使うだけですし、よく使うGやAのパイプがどこにあるか演奏中に探すのが、Eを付けることで極端に難しくなってしまうので、ここだけはFluteに助けてもらうことにしました。
(2)切断していきます。
カッターナイフの場合は、刃先から0.5〜3cmくらいのところをパイプに当てて、軽く押さえつけながら、力を入れて往復させます。
変な力を入れると刃が折れるので注意。
周囲がある程度切れたら、最後はナイフを外して折ることができます。
(3)一方の端を指で塞いで吹いてみます。
目的の音より長2度〜短3度低い音が出れば合格です。
(4)口を当てる側の端をヤスリがけします。
特にカッターナイフを使った場合は、折った後の柔らかい面を完全に削り取ってください。
これが残っていると良い音が鳴りません。
(5)さらに、周囲の角をヤスリで削り落とします。
さもないと、グリッサンドの時に唇が切れます。
(6)反対側にパテを詰めます。
指先にこんもり盛ったくらいの量の2倍程度必要です。
鉛筆(削ってある場合は反対側の端)をパイプの中に入れて押し、外からは指で押して固めます。吹いて音程を確かめ、不足なら足し、過剰なら押し出して取り除いてください。
(7)ベニヤ板を2枚切って、E音(全体の中央)のパイプを挟み、両側を輪ゴムで止めます。
(8)順に両隣のパイプを1本ずつ挟み込み、輪ゴムで止めて行きます。
(9)パイプが上下に動かないようにするため、ガムテープを細長く切って全体を巻くように止めます。
(10)全体の音程のバランスを見ながら、鉛筆を使って最終的に調律していきます。
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Copyright(c)1999 by TODA, Takashi