歪というのは、物体の変形の度合いを示すものである。変形が起る場合には、 必ずどこかで「伸び縮み」が起っている筈である。 そこで、物体の中の任意の位置にある微小線分の長さがどの程度 変化(伸び縮み)しているかということを考える。
変形前に微小線分の一端が
にあり、
もう一端が
に
あるものとする。変形によって、各点が
だけ変位したものとすると、
にあった点は
へ、
にあった点は
へ移動する。
微小線分の長さと方向をベクトルで表すと、変形前は
、
変形後は
となる。
ここで、
という量について
考えてみると、これはベクトル場
の中で
最初
の位置にいた観測者が
にまで
移動した時に感じる変化である。これは先に述べた移流に他ならない。
結局変形後の微小線分は
となる。
さて、重要なのは微小線分の長さがどれだけ変化したかである。
この変化量をとおくと、
さてこの右辺を、ベクトル
を使った次のような
行列演算の形(二次形式)で表すことを考える。
簡単な計算により、非対角成分に関しては対称成分の和
に意味があり、eijとejiに
どう分れているかは全く無意味であることがわかる。そこで、
eij=ejiとなるように分けることにする。その結果、次のようになる。