Next: 補足:微分幾何学への橋渡し
Up: 連続体力学のためのベクトル解析
Previous: 極座標での表現
ベクトル解析を更に拡張・一般化すると「テンソル解析」という手法になる。
これは「微分幾何学」と呼ばれる分野の一部分である。
この文章はその方向へ少しだけ踏込んだものになっている。
このような立場に立った微分幾何学の教科書として定評のあるのが次の書物である。
これは所謂「数学の教科書」であって、気を入れて読まないと
手に負えないかもしれない。そこで、次の書物を推薦しておく。
これは数学的厳密さを保ちながら、物理学や工学への応用を
意識したもので、とりつきやすいし、すぐに応用が利く。
しかも、本格的に微分幾何を勉強しようとする場合の導入としても適切であろう。
インターネット向け補足その1(2014.11.30)
|
---|
この文章のTEX版を作った翌年の1991年に、下記が出版された。
この書物も基本的な方向性は上記と同じである。
ただ、田代が各分野の応用例を広く多数集めようとしていて、
特定の分野で用いられてきた特殊な数学的技法にも触れているのに対して、
石原は応用例を厳選し、数学的な流れを解りやすくしようとしている傾向がある。
|
その他、筆者がこの文章を書くに当って参考とした文献を挙げておく
- 安達忠次:ベクトル解析(培風館)
- 岩堀長慶:数学選書2ベクトル解析(裳華房)
- 石原繁:数学講座9幾何学概論(共立)
- 力武常次他:地球物理シリーズ03物理数学II(学会出版センター)付録
- 角谷典彦:物理学講座7連続体力学(共立)第2・3章
- 巽友正:新物理学シリーズ21流体力学(培風館)第2章・付録
- 島津康男:基礎物理学選書11地球の物理(裳華房)第2章
また、筆者が京大理学部3回生のときに受講した「物理数学演習」の講義プリントも参考になった。担当教官の坂東昌子助手(当時)に感謝する。
インターネット向け補足その2(2015.1.4)
|
---|
2012年に下記が出版されている。
- 清水昭比古:連続体力学の話法―流体力学,材料力学の前に(森北出版)
この書物は、
次ページで述べるような微分幾何学の一般論は勿論、
この文章で展開した直交曲線座標の議論にも一切踏み込まずに、
ひたすら直交直線座標の範囲で徹底的に深い内容を展開しようとしている。
これはこれでまた面白いアプローチなので、参考にされたい。
|
Ichiro Tamagawa
平成11年9月24日
手動による補足・誤字訂正 by TODA, Takashi
at 2014年11月30日・2015年1月4日